移住者インタビュー

楽しんだ者勝ちの田舎暮らし。

 三好市の中心地、池田町には葉たばこで栄えたうだつのある家が立ち並ぶ本町通りがある。昭和天皇もご宿泊され、地元でも長年親しまれたかつての老舗旅館:政海旅館もある。「株式会社あしたのチーム」のサテライトオフィス「三好ランド」はその旅館を活かしたオフィスだ。

西村耕世さんはこのサテライトオフィスで、約5年間責任者として全国にあるサテライトオフィスを飛び回り、通常業務を行いながら各地で行政と連携して課題解決に向けて取り組んできた。場所や時間にとらわれず働き、地方にいながら東京、大阪と同じスピードで仕事ができてしまうのもサテライトオフィスの強みだ。

「通勤ラッシュといえば、信号待ちで停まるくらい」と微笑んだ。 現在は、ともに三好市出身の両親もUターンし2世帯で暮らしているが、先に孫ターン(Iターン)したのは西村さんと奥さんと2人の子供だった。

正直不安しかなかったが思い切らないと

 孫ターンの前は、何の不自由もない環境のサラリーマン生活を送っていた。大阪で生まれ育ち、大学卒業後広告・出版関係の会社に勤め、奥さんと2人の子供の4人家族、持ち家もあった。  長年、父親の実家が空き家となっていた。「誰かが家を管理しないと。」という思いから父親と月に1度は畑の手入れや墓参り、家の風通しをするために三好市へ通う生活が始まった。通い始めて2年、父親は仕事を辞めて帰ることは出来ない状況であった。「父親が難しければ自分がやる!」と、奥さんの後押しもあり当時3歳と1歳の子供と奥さんを連れて三好市にやって来た。

移住したての頃は、仕事も決まっていない友達もいない・・・正直不安しかなかった。でも思い切ってやって来たからこそ、地域に馴染めたそうだ。近所の方が子供の顔を見かけた時にはお菓子を届けてくれたり、いろいろ気にかけてくれた。地域のみなさんが子育てに関わってくれた。

今は株式会社あしたのチームのサテライトオフィスでの経験を基盤にして独立。地域創生を事業の軸として地域課題に取り組んでいる。多忙な日々を過ごしているが、時間ができたら海釣りに出かけることもあるそうだ。子供の頃、母親の実家から見た井川の山、その大好きな景色の中で父親と野菜作りを楽しんでいる。

「条件が揃ったら」っていつ?

「仕事があったら」、「いい家が見つかったら」・・・条件が揃うまで!となると、なかなか前には進めない。まずは地域を見て人を見て、気に入ったら思い切って行ってみる!移住してみる!そんな生き方もいいのではないかと、地域に惚れて孫ターンしてきた西村さんからの言葉であった。