移住者インタビュー

イタリアの田舎、徳島の田舎、どっちも変わらんし!

井下奈未香さんが、ご主人となる井下さんと出会ったのは10年前。
女手1つで娘2人を育てながら、奈良で自ら経営するBarに、友人が井下さんを呼んだことがきっかけだった。
当時奈未香さんは、イタリアのある農園で青少年の支援をしながらワイン造りをする生活を目指し、娘を連れて渡伊する計画をたてていた。
井下さんと知り合ってからは友達の1人として、飲みに行ったり子供たちを交えて遊びに行くうちに次女から井下さんへラブレターが届いた。

「パパになって・・・」井下さんは実家のある三好へ帰ると決めていた時期であった。そんなドラマ顔負けのストーリ―ある井下ファミリー。
2014年10月、次女の想いの後押しとイタリアに負けない夢を三好で叶えようと奈未香さんは家族で三好にやって来た。とはいえ、徳島に行くと決めてから、全く環境の変わる子供たちのことが何より心配で毎日眠れなかったという。“自分の夢”よりも子供たちが馴染めず辛い思いをしたり「(奈良に)帰りたい・・・」と言ったら子供に従おうと決めていた。
しかし、そんな心配を吹っ飛ばすように、子供たちは登校1日目で友達を連れて帰ってきてくれた。

四国のへそ(中心)で四国4県のぶどうから生まれるワイン

朝は6時に起き洗濯から始まり、次女、長女を学校へ送り出し、長男、次男を保育園に預けた足で三野町にある葡萄畑に向かう。奈未香さんのワイン造りの夢の第1歩である自分の葡萄畑。

午前中は(葡萄農家として)無農薬で育てる葡萄たちが他の生物と共存して、良い実をつけてくれるようにと「葡萄の親衛隊」として草刈りや剪定、害虫から保護をする作業をしている。今年はここで収穫した葡萄と阿波市から取り寄せる葡萄を持って先輩のワイナリーで醸造させてもらう。醸造所を構えられるようになれば、四国のへそで四国のワインを発信していきたいと意気込んでいた。四国のへそでのワイン造り、奈未香さんの醸造所がへそのマチに建つ日も近い。

見守り実った葡萄から生まれるワインをどこで売ろう?醸造所より一足早くオープンさせたのが「NATAN葡萄酒専門店」だった。
店名の由来は、子供たちが小さいころ「なーたん」と奈未香さんのことを呼んでいたことや、旧約聖書の預言者ナタンからきている。

奈未香さんの人生はワイン(葡萄)に助けられて生きてきたという。シングルマザ―時代、全く友達もいない徳島でいつも通り、ワインと笑顔と家族で乗り越えてきた。

三好市は「まっさら」 キャンバスに自由に想いを描くことができる

三好市に来てよかったことを尋ねると笑顔で答えてくれた。「キャンバスに自由に想いを描くことができる。」と。
最後に移住される方へのアドバイスを聞いてみた。
「持病やお子さんをお持ちの方は事前に病院を調べておく方が良いかも。」
いざという時の県立病院はあるがかかりつけの医者はお子さんがいる家庭には必要かつ安心である。自分の住む町の病院は知っておくのは大事な情報との想いからの言葉を頂いた。